「なぜ、やめられないの?」
今回は、一度は名前を聞いたことであろう心理学者・児童精神科医のフロイド博士の有名なセオリーについて、ご紹介します。
発達心理学において、覚えておくべきTheoryがフロイト博士のPsychosexual Development です。
皆さんの中に、
「どぉしても、タバコがやめられない。」
「爪噛みがやめられない」
「ガムがないと生きていけない」
「どこもかしこも整理整頓されていないと気がすまない」
「ついつい過食してしまう。」
「無駄使いがやめられない。」
などなど、やめたくてもやめられない習慣・癖などがあるかもしれません。
これらの週間・癖を「なぜ、やめられないのか?」っていう質問に答えてくれるのがフロイト博士のセオリーです。
私たちが生まれてから大人になるまで、5つのステージがあります。
Oral stage(口唇期)、Anal stage(肛門期)、Phallic stage(男根期)、Latency stage(潜在期)、Genital stage(性器期)と成長していくと同時にステージも上がって行きます。
今回は、上に挙げた「なぜ、やめられないのか?」という質問に固着しますので、Oral stage とAnal stageに注目していきたいと思います。
まずはじめに、ステージの名前の由来からお話します。
いくら科学とはいえ、ちょっと口に出すのが恥ずかしいようなステージ名ですよね・・・。(笑)
フロイトのセオリーによると、年齢・ステージによって性衝動を起こすエネルギー(リビドーといいます。)が変化すると説をたてました。
そのリビドーの対象が上に挙げたステージの名前になっているのです。
ですから、口唇期(誕生してから約1歳半まで)のリビドーは口や唇なのです。
言い換えれは、気持ちいいと感じる場所が口と唇なのです。
赤ちゃんと言えば、なんでも口に含みたがりますよね。お母さんのおっぱいを飲むときにも唇でお母さんのおっぱいを確かめながら飲むのです。
この時期の赤ちゃんは、まだ思うように身体を動かすことができず、実は視力も悪く、口だけが自由に動かせる器官なのです。
また、肛門期(約一歳半から三歳、トイレットトレーニングの時期ですね。)では、排泄のコントロールを学びます。排泄物は、この頃の幼児にとっては、唯一のこの世に生み出される物です。(笑)
そして、お母さんといっしょに、トイレで排泄の仕方を学ぶのです。このトイレット・トレーニングの間に、羞恥心や、母親への信頼感を同時に学ぶのです。
さて、大まかなフロイト博士の説の説明(少し難しくなってしまいましたが)は以上です。
次に本題の「なぜ、やめられないのか?」について、答えましょう。(待たせてゴメン。)
タバコ・ガム・過食・爪噛みなどは、実は口唇期への固着なのです。
口唇期に充分に欲求を満たすことができなかったために、大人になってからその反動で幼児期へと固着するのです。
例えば、乳離れが早すぎたり、遅すぎたりすると、大人になってからも、唇などに強い愛着を覚えるようになり、タバコやガムなどに愛着するようになるのです。
また、酔っ払って、いわゆる「キス魔」になるひとも、口唇期への固着があるといえるでしょう。
周りにそんな人いませんか?
また、赤ちゃんのときに何でも口に入れてしまい、母親から厳しく何度も怒られたりすると、そこから恐怖心が芽生え、感情の成長が阻止され、とても臆病な子供に育ってしまいます。
そして、常に周りに気を使いすぎ、他人に強い依存性をもつこともあり、寂しがりやさんや、甘えん坊さんが出来上がります。
さて、肛門期についてですが、ためる、だす、のコントロールがうまく身に付かなかった場合、のちのちに、浪費家やドケチになったり、
トイレでの羞恥心の芽生えができなかった場合などには、最近話題になっている公衆の面前での化粧やその辺の地べたに座り込みなどが関係してきていると個人的に思います。
また、母親のしつけに順応だった幼児は几帳面になったり、逆の場合は意地っ張りな性格の子供ができあがると言われています。
ん〜、ちゃんと質問に答えられているかしら。
まとめると、タバコや過食、浪費や几帳面などは、幼児期での満たされなかったものを償おうとして、大人になってから別の方法で、その幼児期へ無意識のうちに固着してしまっているからなのです。
以上。「なぜ、やめられないの?」でした。
質問はありますか?(笑)